Score概要

社会還元加速プログラム(以下、「SCORE」と記載する。)では、研究者やアントレプレナー志望者(EL※1)等が、リーンスタートアップ手法等のベンチャー起業・成長に有益な知識を実践的に学習し、研究開発成果の事業化を通した社会還元を加速します。

ベンチャーの成長力やリスクマネー獲得の可能性などを高めるため、自らの技術シーズを元にして実用検証可能な最小限の試作品(MVP※2)を作製し、想定顧客等の評価を受け、得られた評価結果や社会ニーズを、次に行う研究開発の方向にフィードバックさせることで想定ビジネスモデル仮説を現実化、高度化させます。この事業化に向けた改善サイクルを繰り返し、ビジネスモデル仮説のブラッシュアップ(具体化、精緻化)を行う経験を通して、ベンチャーに必要な能力の向上やネットワーク形成も図ります。また、MVPを評価できる想定顧客企業の仲介や、起業に関わるネットワーク形成等にあたり、メンター等の助言や協力を効果的に得る支援体制も構築することも目標とします。

01Boosterではこれまでのコーポレートアクセラレーターの実績と起業家への支援実績から、当プログラムの運営、採択チームへのメンタリングを等してご支援してまいります。

※1 「EL」とはEntrepreneur Lead(アントレプレナー志望者、候補者)の略称を意味します。研究代表者の技術を基にした起業化の展開において、ビジネスモデルの仮説立案および検証等の活動を中心的に行う者。学内外を問わず、研究代表者と二人三脚の協働で活動を行える者を想定しています。

※2 「MVP」とはMinimum Viable Products(実用検証可能な最小限の試作品)の略称を指します。完全な製品を目指す開発手法と異なり、事業仮説の検証が目的なので最小限の機能に絞り込んだ試作物等を指します。必須機能が欠如していても事業仮説の検証ができれば許容します。

Score特色

採択チーム紹介

骨髄間葉系幹細胞の磁気ターゲティング装置の開発

研究開発分野/整形外科学

広島大学
広島大学病院 未来医療センター
講師 亀井 直輔

機能性高分子ゲルを用いた飲料水浄化用重金属除去剤の開発

研究開発分野/反応工学・プロセスシステム

広島大学 工学研究科
助教 後藤 健彦

薬剤探索支援の事業化を目的とする薬剤候補分子の高効率な分離改善技術の検証

研究開発分野/分析化学

東京大学 大学院総合文化研究科
准教授 吉本 敬太郎

フィールドモニタリング技術事業化検証のためのサービス化手法の開発

研究開発分野/農業環境・情報工学

東京大学 大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構
国際フィールドフェノミクス研究拠点
特任教授 平藤 雅之

光駆動エネルギー再生型スマートセルの作製

研究開発分野/生物機能・バイオプロセス

静岡県立大学 食品栄養学部
准教授 原 清敬

活性酸素光除去技術の事業化検証への可視光敏感水素生成光触媒の開発

研究開発分野/構造・機能材料

国立研究開発法人物質・材料研究機構
主幹研究員 阿部 英樹

ドライバエージェントロボットシステムの事業化検証のためのスマホアプリの開発

研究開発分野/ヒューマンインタフェース・インタラクション

名古屋大学 未来社会創造機構
特任准教授 田中 貴紘

カビの殺菌が可能な農産物の瞬間乾燥粉末化技術の開発と事業化検証

研究開発分野/生物有機化学

東京農工大学 大学院農学研究院
教授 千葉 一裕

複眼IoTセンサの事業化検証のためのドローン搭載用多次元画像情報取得複眼カメラの開発

研究開発分野/光工学・光量子科学

大阪大学 大学院情報科学研究科
教授 谷田 純

ミリ波レーダの車両近傍界計測

研究開発分野/計測工学

岐阜大学 工学部
准教授 久武 信太郎

個性や利用状況に応じて最適な方法で行動意欲を引き出す人工知能および同技術搭載の行動促進アプリ事業化検証のための科学的有効性が検証された行動促進手法搭載のソフトウェア開発

研究開発分野/ヒューマンインタフェース・インタラクション

国立情報学研究所 アーキテクチャ科学研究系
助教 坂本 一憲

テラヘルツ偏光イメージング分析技術の成果事業化検証のための装置開発

研究開発分野/光工学・光量子科学

慶應義塾大学 理工学部物理学科
准教授 渡邉 紳一

ロボット技術を応用した全自動歯ブラシの事業化検証のための歯垢除去機構の開発

研究開発分野/知能機械学・機械システム

早稲田大学 理工学術院総合研究所(理工学研究所)
准教授 石井 裕之

社会問題の解決を起点とする事業化を志向した竹を原料とする次世代材料の製造開発

研究開発分野/高分子・繊維材料

大分大学 理工学部
助教 衣本 太郎

感性的・機能的価値を付与する開閉力の可制御ドアの開発

研究開発分野/ヒューマンインタフェース・インタラクション

広島大学 大学院工学研究科
准教授 栗田 雄一

後付けが容易なIRビーコンによる屋内測位技術の利活用

研究開発分野/ウェブ情報学・サービス情報学

筑波大学 システム情報系 知能機能工学域
助教 善甫 啓一

スケジュール

公募開始
エントリー締切
修正提出締切
導入セミナーワークショップ
審査
採択決定
ブラッシュアップ研修 MVP制作など
Demo Day

プログラムイメージ

※実際のプログラムは、別途実施していつプログラム企画実施者の企画提案によちり変更となります。

対象となる研究課題

以下の条件を満たす分野における研究開発を対象とします。ただし、顧客評価に先立って許認可等が必要な技術分野は対象外とします。

・MVPを期間内に顧客候補に1回以上提示可能な技術分野。
・MVPの安全な顧客評価が可能な技術分野。

(参考例)

・IT、情報通信(IoT、ビッグデータ、Fintech等を含む)
・自然科学分野(新材料、環境エネルギー、先端計測等を含む。薬事法等の規制対象外の分野)
・その他(ものづくり、サービス等)

応募の要件

応募に当たっては、以下の点を全て満たしていることが応募の要件となります。
  • 申請の核となる技術シーズ(特許権(出願中を含む)、プログラム著作権等)(以下「原権利」という)を利用したベンチャー企業の設立、  事業化等により、研究成果の社会還元を目指していること。
  • 申請時点において、研究代表者が原権利を有する、その発明者である、もしくは発明に関わった者であること。もしくは、研究開発中に原権  利を形成する目処があること。
  • 原権利はJSTが関わった事業により創出されたものであること。
  • 原権利については、本支援を通じて創出されるベンチャー企業の実施に関してその原権利の発明者、原権利が帰属する機関等の同意が得られていること。
  • 研究代表者とELのチーム体制を構築できること(1チーム2~3名程度を想定)。研究代表者が意欲と決意をもってELの活動に参加できる場  合は研究代表者がELを兼ねることも可能とする(EL活動を行うエフォート※1を十分に確保できることを必須とする)。また、研究代表者とELに一時的にチーム活動を支援するその他参画者を加えることも可能とする。
  • 平成29年度第4四半期に開催予定の企画(研究開発チームのビジネスモデル仮説と製作したMVPをプレゼンテーションし、STARTの事業プロモーター等へのPR説明※2を実施)で、ビジネスモデル仮説およびMVPを発表できること(必要な知的財産権は発表までにあらかじめ確保できていること。ただし、非公開とすべき技術がある場合は、事前相談により非公開とすることも可)。

※1 エフォートの定義については公募要領の36~37ページを参照ください。

※2 この“PR説明”は競争的資金制度における研究開発評価ではありません。SCOREにおける事後評価は別途実施します。START「プロジェクト支援型」における事業プロモーターによるデューデリジェンスも別途実施となります。

研究代表者の要件

研究代表者は以下の条件を満たしていることが要件となります。

a)過去もしくは現在、JSTが関わって創出された技術シーズ(原権利)を有する者であること。
  原権利が特許の場合は、その発明者、もしくは発明に関わった者であること。

b)申請時及び研究開発期間中に日本国内に居住し、かつ日本国内の大学等に常勤の研究者として所属し、SCOREの実施期間中に中心となっ
  てMVP作製のための研究開発を行い、ELに対して技術協力を惜しみなく提供できる者であること。

ELの要件

以下の条件を満たしていることが要件となります。

a)本事業の全活動に主体的参加が可能で、ビジネスモデルの仮説立案および検証等の活動を中心的に行うためのエフォートを十分に確保する
  ことができること。
  また、本成果にて起業を行う際にも参画する意思、関心を有していること。

b)研究開発の期間中、日本国内に居住していること。

c)研究代表者とコミュニケーションをとって協働で活動できる者であること。
  研究代表者の技術を基にした起業化の展開に興味をもち、アントレプレナー候補となりうる意欲や熱意を持つ者であれば、研究室内外、
  学内外を問わない。研究代表者の研究室に所属するポスドクや所属大学URA等でベンチャー起業や企業における事業活動経験等が無い者で
  あってもSCOREを通して、アントレプレナー能力の修練を目指す者であればよく、研究機関の了解があれば学生も可能とする。
 (意欲と決意をもってELの活動に参画できる場合は研究代表者がELを兼ねる事も可能)